社長の手術の日(足を切断する)、朝9時に杏林大学病院の救急の窓口に一緒にマスタングで行った。
救急扱いなので、何時から手術なのかはわからない。
レントゲンを撮ってから、最上階の集中治療室へ運ばれた。
オレはすこししてから集中治療室に付き添いで案内されたが、マスクして滅菌した簡易の服を着させられて分厚いドアから入っていったが、周りにある医療機器やベッドで寝ている患者さんを見て、 “ただごとではない雰囲気” を強く感じた。とにかく普通の病棟ではない様相は恐かった。
社長の寝ているいるスペースに案内されて、傍らに腰掛けた。
1時間、2時間と過ぎてもお呼びは掛からない。
「帰りたい」
そう社長は何度となくつぶやいていた。
オレは横に一緒にいながら何を二人でしゃべっていたかはよく覚えていないが、なんだか社長は恐がる様子もなく、少しポカンとした感じでベッドで横になっていた。
そして夕方になってとうとう手術の時がやってきた。
ベッドから車椅子へ載せられて、社長は手術室に向かう廊下を看護婦さんに押されていった。
そのときの社長のちいさな後ろ姿を見て、オレはすごく悲しかった。
「勝手に連れていかないでくれよ」
そう想っていた。
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