2014年3月31日月曜日



今年も綺麗に咲いた。

こういう風に思えるって事は、自分もその土地も良きにつけ悪しきにつけ、無事に春を迎えられたという証でもある。

ちょうど去年の今頃、車椅子を押しながらこうして駅前のデッキ上で相棒と桜を眺めていったけ…
でも今年は俺一人で見ることになっちゃった。

あの人はよく口癖で「今年も桜を見れたのう…」ってしみじみ言ってた。
できればまた一緒に桜を見たかった。

桜を見ながら目が潤んでくることは今まで一度もなかった。
それだけ平穏に過ごせていたということだ。

「歳を取ると涙もろくなる」って良く言われるけど、別にただ歳を重ねたからそうなる訳ではない。
ちょっとしたきっかけで苦楽を思い出してしまうからだ。
いいのか悪いのかわからないけど、そんな事がわかる精神状態になったという事だ。

2014年3月27日木曜日

ドラマ


袴田事件、再審確定のニュースがテレビで流れている。

一方では芸能人の誰がくっついただの離れただの、どこの店の料理は絶品だのというニュースもまた同じように流れている。
天と地ほど重さの違いがある内容だけど、数あるニュースの中の一つとして人々の話題からはすぐに忘れ去られてしまうだろう。

つい先日までソチオリンピックをやっていた。
10代の若いアスリート達の活躍も目立ち、マスコミは大いに取り上げ賞賛し、特別番組を設ける。
かたや、この事件の被告とその姉は何十年と理不尽な状況の中で戦い続けてきている。
とても長くて苦しいドラマの連続だったに違いない。
真実は神のみぞ知る、ではないが、本当にこの事件が冤罪事件であるのならば、被告やその家族達には金メダル以上のものをあげてもいいのではないのか。

「成功者」
何をもって成功とするのかわからないが、人事を尽くしても尚、苦しい思いをしている人はたくさんいる。
地味で日の当たらない場所にも、とてつもなく大きなドラマはたくさんあるんだ。